以前、大切に持っていたお守りが、
ある朝突然びしょびしょに濡れていた。


毎日使うバッグのポケットに入れていたし、
水気のものは一切ない。








他にもポケットティッシュやメモ帳、
あぶらとり紙なんかも一緒に入れていたんだけど、
見事にお守りだけがずぶ濡れだった。


出張中の夫に何かあったのかと慌てて連絡したが、変わりなし
(夫が直感で選んでくれたお守りだったから)。


日当たりの良い部屋の中で自然乾燥させて、
その日はお水をお祀りして手を合わせた。


一体何だったんだろう。


ずぶ濡れのお守りを手で触れても、
全く嫌な感じはしなかったんだよね。


不思議だ。


友達のおばあさんの話なんだけど、
おばあさんは終戦の時サハリンにいた。


もうロシア人が侵攻してくるので、
慌てて引き上げ船に乗ろうとしたら、
いつも肌身離さず身につけているお守りがないことに気が付いたらしい。


お守りがなくてはとても引き上げ船には乗れないと、
家に帰って探したら、ありえないところにお守りがあったらしい。








結局、引き上げ船に乗り遅れたんだけど、
その引き上げ船は留萌沖で撃沈されたんだって。


母方の祖父(存命なら110歳越え)が戦時中に、
出征先で川の中を3日3晩行軍したことがあった。


木のお守りを左胸のポケットに入れていたらしいんだけど、


やっと川の外へ出られてから気づいたら、
お守りに流れ弾が当たって二つに割れていたらしい。


流れ弾だから致命傷になることはなかったろうが、
怪我くらいはしてたかもと言ってた。


川の行軍はとても辛く、
上がってから尿意があっても尿が出なく、
やっと出たと思ったら血尿だったそうです。


食べ物も食べず3日も腰から下に水に入ってた、
という話も衝撃的でした。