大阪の日本橋での話。

今から20数年前の事。

電気工事士のMさんは、
某商業ビルの裏側で作業に当たっていた。








まだ昼間なのにビルの裏は薄暗く、
ジメジメしてとても不快だった。





それでも我慢しながら作業していると、
配線の束の中に何か布にくるまれた物があるのに気づいた。

何だろう?と思い、その布を広げた瞬間、
Mさんは思わず悲鳴を上げるほど驚いた。

それは手に収まる位の小さなミイラだった。

なんのミイラかは分からなかったが、
猿の様にも見えたし、人間の嬰児の様にも見えた。

Mさんはその事をビルのオーナーに伝えると、
オーナーはそれを

『ハナニムカムチュダ』

だ、と言って
そのミイラを大切そうに持って帰ってしまった。