1: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:18:58.39 ID:8HYY/Bnn0


それでうちの一族の守り神をやってるっぽい







3: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:23:41.90 ID:8HYY/Bnn0


元々、うちの一家は武家だったらしい
奥の座敷なんかは家長とか長男しか上がっちゃいけないだとか
そんなしきたりがあるような家だった

集落の中でも、中心的というか
なんかあった時はみんな家に集まって話し合いや相談をしていたそうだ

で、集落には祀ってる?神様がいて
それを守るのが家の役割だったらしい



5: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:25:32.38 ID:8HYY/Bnn0


ただ、その神様ってのが
要は祟り神とかそんな感じのやつで
祠の付近は空気も重いし、誰も近寄らないし
大人たちもむやみに近寄るなよって子供たちに言っていたらしい


じいちゃんが子供の頃の話な



7: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:29:34.60 ID:8HYY/Bnn0


じいちゃんは3人兄妹の真ん中
長男は、かなり頭が切れて運動神経も良かったんだけど
いかんせん性格が適当で、何するにしてもめんどくせーって感じだったらしい
次男のじいちゃんは、長男ほどではないけどまぁまぁ優秀だったらしい
妹はあんまり関係ないからスルーしとく



8: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:31:56.83 ID:8HYY/Bnn0


じいちゃんが10歳くらいの時
周り近所の友達と、その祠の周りを探検しようって話になったらしい
色々話しあった結果、結構は早朝
夜明けと同時に行って、見終わったらそのまま帰宅して登校
っていう計画になった
理由は、夜だと怖いかららしい



10: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:35:31.26 ID:8HYY/Bnn0


夜明けでも、夏だったからそこそこ暑い中ほこらの周辺をひと通り散策して
結局何もなく祠に到着した
周りはすっかり明るくなっているのに
その祠の周りだけ異様なくらいに暗かった
さっきまで聞こえていた小鳥や虫の鳴き声もなくなって
とにかく今までの空気とかがらっと違う感じだったよう



11: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:36:56.28 ID:8HYY/Bnn0


子供でもそれはわかったらしく
誰がいくんだ、お前がいけ
っていうやりとりがちょっとあったらしい

祠の扉を開けて、中を確認
扉を閉めて戻ってくる

っていう肝試しみたいな感じ



12: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:40:25.07 ID:8HYY/Bnn0


結局、誰も行くと言い出さず
じいさんは、自分の家が守ってるところだから俺が行く
と行って足を進めた
本当にちびって泣き出しそうなくらいこわかったらしい
俺は○○家の人間だ-!
みたいなことを叫びながら祠の扉をがばっとあけると中は真っ暗だった



14: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:44:51.48 ID:8HYY/Bnn0


内心、ほっとして扉を閉めようとすると
中から扉を抑えるように真っ青な手が伸びてきた
じいさんがびっくりしてしりもちをつくと
祠の中の闇には無数の目があって、じいさんを見ていた

じいさんはあまりの恐怖にそのまま気絶したっぽい







15: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:57:52.20 ID:8HYY/Bnn0


じいさんが目が覚めると
じいさんのじいさん、父、近所の寺の住職、他数名の男がいた
目が覚めて最初に、父に「なんてことしたんだお前は!」と怒鳴られたらしい
じいさんや父から怒鳴れていると、母もやってきて
じいさんの顔を見るなり泣き崩れたらしい

すると住職が、みんなを部屋から出した
部屋には、じいさん、住職、知らない男の三人になった



16: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 17:02:12.95 ID:8HYY/Bnn0


住職は険しい顔のまま喋り始めた
話の中身は、
祠を開けたことによって、祟神様を怒らせた
このままでは数日中に確実に命を持っていかれる
本当ならもうあの場で死んでいてもおかしくないのだけど
たまたま、じいさんが失神した後、お寺の関係者が通りがかって
どうにかひとまず、祠の扉を閉じてじいさんを連れてきたらしい

その関係者ってのが一緒に部屋にいる知らない男



17: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 17:04:38.93 ID:8HYY/Bnn0


住職が話をしている間、その男は
部屋の隅に塩を置いたりなんやかんやしてたよう

正直、もう住職の手に追える状況じゃないから
こういうことを生業にしてる人を呼ぶ
その人が来るまで、じいさんがもつかわからないし
来たからといって解決するかもわからない

っていう話だったらしい



19: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 17:16:46.39 ID:8HYY/Bnn0


その夜、じいさんはその部屋からは出してもらえず
住職が結界を張ったらしく、ひとまずここにいれば大丈夫だと
外から声をかけられても絶対に返事をするな、反応するな
っていうことをかなりきつく言われたらしい

実際、夜になると廊下をぎし、ぎし、と歩く音が聞こえたかと思うと
母の声がじいさんを呼ぶ声がしたらしい
お腹減ってるでしょ?とかそんなことを言っていたらしいが
明らかに雰囲気が異常、ふすまに写った影もまるで人間の形をしてなかったらしい



20: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 17:19:34.96 ID:8HYY/Bnn0


翌日、昼前に住職が呼んでくれた人が到着した
事情は住職が説明してあるみたいで
部屋に入って、じいさんを見るなり
準備があるからと言って出て行ったらしい

その人はまだ20代くらいの若い人だったらしい







23: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 17:34:50.86 ID:8HYY/Bnn0


結局、その日、その人は部屋には戻ってこなかった
夜、また結界張った部屋の中で恐怖に震えていると
兄の笑い声が聞こえてきた
廊下をバタバタと走る音と近寄ってくる兄の笑い声
あまりの勢いで近寄ってくるからじいさんは震えが止まらなかったらしい

布団に潜って耳をふさぐと同時に
ふすまのすぐそこまで来ていた兄の笑い声が止まり
良和(じいさんの仮名)!!!!!
と叫びながらふすまが開かれた



25: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 17:50:45.24 ID:8HYY/Bnn0


そのまま布団も剥がされ、まだ兄の声がじいさんを呼んでた
じいさんが薄めで見ると
「良和!見ろ!これでもう大丈夫だwwwwww」
と、人の頭くらいの鏡とかなづちを持った兄が笑顔で立ってた
じいさんは頭が混乱し、何がなんだかわからないでいると
兄はその鏡を床に叩きつけ、かなづちでひたすら叩いた



26: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 17:55:54.89 ID:8HYY/Bnn0


ほどなく、兄は立ち上がってじいさんの頭をなでて
今までにないような優しい声でじいさんを寝るように促したらしい
じいさんはなぜかそれで安心して眠ったらしい

翌朝、祖父母両親に起こされたじいさんは
もう自分の身に危険がないことを知らされたらしい



27: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 18:04:37.38 ID:8HYY/Bnn0


それ以降、じいさんの兄が
それまでいた祟り神的存在の代わりに
神様になってうちの一族とこの集落を守ってるらしい

やっぱり、祟り神とは言え、腐っても神だから
いなくなってしまうと霊的なもの含め均衡が崩れてしまうらしい



29: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 18:10:56.58 ID:8HYY/Bnn0


>>28
そんな感じだね

で、じいさんの兄が最初からそのつもりだったかと言うとそうじゃなかったらしい
住職が呼んだ霊能者?の入れ知恵というか手助けというか

その霊能者を仮にAさんとすると
最初にじいさんを見た時、かなり強いたたりだと感じたようで
これだけのものは、誰も死なずに綺麗に解決はあきらめろ
っていう話を家族全員に話したらしい
じいさん以外の家族ね







30: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 18:12:50.39 ID:8HYY/Bnn0


Aさんの話では、
おとなしくじいさんを神さんにくれてやればひとまず収まる
それか身代わりを立てる

これが一番簡単だけど、神さん今回かなりご立腹なもんで
定期的にお供えが必要になるかもしれない



31: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 18:16:33.92 ID:8HYY/Bnn0


もうひとつは、いっそ神さんを殺してしまう
おそらく、この神さんは動物の霊魂の集合体みたいなもので
コ口すこと自体そこまで難しくはないと思われる

そのかわり、神に手を出した者はまず死ぬ
そして、バランスも崩れて、それを放置すれば
10年くらいのうちに集落ごと滅びる
(山崩れとかそういう天変地異的な)

それが嫌なら代わりの神さんをたてる
おそらく人間は無理、信仰とかみんなが知ってるものとか
そういうのから生み出すしかない



32: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 18:19:42.84 ID:8HYY/Bnn0


つまり
じいさん見殺しにして、定期的に生贄をやるか
身代わりをたてて、定期的に生贄をやるか
違う神を祀り上げるか
どれがいいかねぇっていう話だったらしい

おそらく、じいさんの良心的には
内心、一番を選んでたんじゃないかと思う
性格はさておき、優秀な長男がいるわけだし



35: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 18:42:18.46 ID:8HYY/Bnn0


良心じゃなくて両親だった


みんななかなか結論を出せずに
というより言い出せなくて話が進まないところで
じいさんの兄が、弟を守るのが兄の役目だ
とか言い出したらしい

それで、Aさんと兄は二人で話をして
神さんをコ口す方法、他のものを神さんにする方法を聞いたらしい



36: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 18:44:20.11 ID:8HYY/Bnn0


それで、家族には兄が身代わりになるような話になっていて
Aさんとじいさん兄は代わりの神をっていうことになった

で、兄はまた企みがあって自分が神になればいいのではって
Aさんには黙って自分が神になろうとしたらしい

結局は、そのとおりになったわけだけど



37: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 18:55:29.54 ID:8HYY/Bnn0


手順は色々あったらしいけど、
そのへんはよくわからない

信仰ってのはやっぱりそれなりに必要みたいで
じいさんの子の代からは、男児の名前の字はじいさんの兄の名前の文字を一文字
必ずつかうようにっていう決まりになってて
俺にも、俺の父にもそれがつかわれてる
俺の子供ができたら、同じ文字をつかわなきゃいけない

でも俺たぶん結婚できないけど

というわけで昔の話はこれで終わり



13: 名も無き被検体774号+ 2014/01/06(月) 16:42:55.55 ID:1puwAeoc0


仏教なら死んだらみんな仏になるけどな











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