友達が体験した話。
小学生の頃、
友達が6人遊びに来た。
こんな大勢で何するんだって話になって、
最終的に辿り着いたのが肝試し。
昼間だから雰囲気も出ないけど、
一応家の裏にある竹林でそれを実行することになった。
まず、ルール決め。
一人がミカンを竹林の中にある六地蔵の前に置いて、
それをもう一人が取ってくるという簡単なもの。
全員入っても良かったのだが、時間も掛かるし
ジャンケンで負けた代表二人がその役割に当たることになった。
そしてミカン係が私、
ミカンを取ってくる係がA、
残りの皆は外で待っているということになった。
私はミカンを持って中に入った。
幼い頃から何度も中に入ったことがあったので
特に何の違和感もなかったし、
怖さというより楽しさのほうが大きかった。
そして皆の元に帰り、
次はAが中に入るように言った。
Aはかなり怖がっていたが、
大丈夫だと皆で説得して竹林の中に入れた。
数分後、
落ち着かない様子で帰ってきたA。
取ってくるはずのミカンがその手にないことに気付いた皆は
どうしたのかとAに尋ねる。
するとAは私を見て、
さっき竹林の中にいた?と聞いてきた。
そんなはずはないと否定すると、
Aは更に青ざめて他の皆にも確認していたが
誰一人中に入ったものはいない。
私はとりあえず家の中に戻るように言って、
皆を再び自宅に招き入れた。
部屋に戻り
Aにその詳細を聞くと、
竹林に入って六地蔵を見つけた瞬間、
ふと違和感を覚えたらしい。
何だろうと顔を上げると
そこには白い服を着た髪の長い女性が
じっと佇んでいたそうだ。
Aは私たちが驚かすために中にいるのだろうかと疑ったが、
私とは入れ替わるように竹林に入ったこと、
そして他の皆は外で待っていることを改めて思い出し、
怖くなって逃げ帰ったそうだ。
竹林を出る瞬間、
もう一度六地蔵の方を振り返ったが
そこには誰もいなかったという。
私たちはその話を聞いて嘘だろうと疑ったが、
Aの真剣に怯えている様子を見ていると
満更でもないような気がしてきた。
それからAは家に来なくなったし、
遊ぶ場所と言えば他の皆の家に変更になった。
後日、母にその話をすると、
母は驚いたように言った。
夜、換気の為に窓を開けていた時、
ふとその竹林が目に入ったそうで
言葉にできないくらいの違和感を感じて寒気がしたこと。
私の家族は皆、霊感がないので
実際に何かを見たことはありませんが、
もしかするとAが見たそれが違和感の原因なのかもしれません。
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