まだ私が小学生の時の話。

その頃、おばぁちゃんの家の近くに引っ越すということで新しい家が完成するまで私達はおばぁちゃんの家に取りあえず住むことになった。私はまだ小学校の低学年だったが、怖い話とかはわりと好きな方だった。


その日、私達はいつものように2階の部屋に家族全員川の字になって寝ていた。隣の部屋は祖父母の部屋になっていた。

夜中の2時頃‥私はなかなか寝付けないでいた。すると階段を上がる足音がした。

どうやら男の人の足音の様だったので『父か祖父がトイレなどに行ったのだろう。父なら部屋に入って来るだろうし、祖父なら隣の部屋の引き戸をあける音がするし‥』と軽く考えていた。

耳をすましてその足音を聞いていると、やっぱり私達の寝てる部屋の前で止まったので『やっぱり父だ』と思い、そして少し安心したからか眠気が襲った。しかしドアノブに手はかかってるはずなのに、一向に入って来ない。

『どうしたんだろう??』と思ったその瞬間‥ガチャガチャガチャガチャ‥とドアノブがすごい勢いで動いた。それとほぼ同時にドアをガンガンガンガンと叩くすごい音。

しかし、それだけすごい音がしているのに隣に寝ている家族は起きる素振りもみせない‥。どうやら私にしか聞こえていないようだった。

音は止みそうにない‥。すごく怖くてどうしようかと布団の中で半泣きになっていたが、勇気を出して電気を付けた‥。

すると、さっきまでのすごい音は止み、部屋には何事も無かったかのように父が寝ていた‥。あれは誰だったのだろう‥。

それからその部屋には盛り塩をしてある‥。