自分の錯覚、と言われてしまえばそれだけなんだけれど。

当方大学1年。

両親と一緒に暮らしている。

最近引っ越すまで2LDK(一室一室が狭い)のアパートに住んでいた。

私の部屋、
(と言っても勉強机とゲームで一杯で、
眠るのは両親ともう一つの部屋で川の字だった)


キッチンを挟んでリビング、もう一つの部屋が並んでいる感じで、
部屋でゲームをしていても、
リビングに居る両親の話し声が普通に聞こえてくるような家。



割とはっきり聞こえてくるんだけど、
時々自分の知らない不可解な言語で両親が話していることがある。

それと一緒に聞こえてくるテレビの声はちゃんと日本語で聞こえてくるのに、
その音より大きい両親の言葉だけおかしい。

東北地方の訛りを更にフランス語訛りにしたような、
とにかく意味不明な音。(自分たちは中国地方住まい)

よく耳をすませても単語一つ拾えない。

しかもそれは、自分が一緒の部屋に居るときにもごく稀にある。

一つのコタツを囲んだ状態で、
自分がNPCに集中して両親だけでテレビを見てる時、
不意に話し出した瞬間の二人の言葉がその音。

ハッとして二人を見るんだけど、タイミングよく?会話が途切れて、
今度は普通に日本語で番組や明日の予定とか話し始める。

焦った様子とかは特にない。

それは特定の条件じゃないと話し出さないから、
どうも錯覚じゃないような気がしてならない。

1.お笑い番組を見ているとき。番組が大盛り上がりして、
笑い声がうるさいようなタイミングで始まる。

2.二人の口調はとても上機嫌で、
普段無口に近いクールな母が楽しそうにペラペラ喋る。

3.感じるニュアンスは、いつも同じような内容を話しているっぽい。
決して番組の内容に関してとかではない。

4.父が何か説明・提案?不可解な音の羅列の中にも母より抑揚がある。

それがある時から、急にそういう音で話すのが聞こえるようになったんだよね。

自分がまだ小学校の低学年の時に、
自分の部屋でゲームをしていたんだけど、突然両親に呼ばれたんだ。

いつも『風呂に入れ』とか『ゲームのしすぎだ』とか言われるだけだったのに、
「リビングまで来い」と言うから行った。

すると父も母も変にニヤニヤしていて様子がおかしい。

悪巧みを思いついたような顔というか…。

やっぱりテレビはお笑い番組だったんだけど、
部屋の雰囲気がおかしいというか、とにかく違和感を感じたのを覚えてる。

今だったらたじろいだだろうけど、
幼い自分は不思議に思いながらも二人の傍に行った。

父が一枚の紙と鉛筆を差し出して、
(自分は絵を描くのが好きだったので、母がリビングにも紙と鉛筆を置いてくれてた)

「○○(自分の名前)。ここにお前が描ける、一番小さな電車を描いてごらん」

と言う。

自分は意味が分からず、

「は?何言ってるの父さん?意味が分からないよ」

みたいな事を言って嫌がったが、

「まあいいから描けって。ほら早く」

と言って引き下がらない。

その間も両親はニヤニヤニヤニヤ笑い続けている。

しかも、自分を興味深そうに観察している感じがして異様に不快。

仕方なく紙に点を一個だけ描いて、

「はい、これでいい?一番小さいでしょ」

と言って父に紙と鉛筆を突き返した。

「へぇ~○○はこう描くんだ」

父は相変わらずニヤニヤしたまま紙を眺め、そう言った。

「ねえお父さん、なんなの?なんか意味があるの?正解があったの?」

幼いながらに両親の不可解な行動にイラだってそう聞いても、
「さあねぇ」みたいな事を言って、全く取り合ってくれない。

既に娘よりも描かれた『一番小さい電車』の方に興味津々な様子で、
母はニヤニヤしたまま一言も発さなかった。

その時の記憶はココで切れているが、
たぶんその後に自分は気分を害して、またゲームをしに自室に戻ったと思う。

とにかくその辺りから、両親が変な言語を話すようになっていった。

今でもその日の事は鮮明に覚えていて、時々両親に問いただすのだが、

「え?そんなことあったっけ?」

と、父も母も本気で心当たりがない様子。

しかも

「なんで一番小さい電車なんだ?」

と、自分に聞き返して来る始末。

あの時から、なにかが父と母に憑いているんだろうか…。

似たような両親持ってらっしゃる方とか居ますか?