大学生になって初めての夏休みの時
俺は故郷である富山県に同郷の友人であるF川と帰省した

ひさしぶりに帰った実家でまったりとしていたが
実は俺達には目的があった


心霊スポットとして有名な
「坪野鉱泉」を探検する事だった

夜中の一時頃親にはきちんと話していたので
普通に家の前で懐中電灯とカメラを用意して待っていた

3分ほどしてF川がやってきたので、
すぐに俺の車に乗り込み出発した

坪野鉱泉はかなり山奥にあり、
本当に真っ暗な道を進んでいった


そして目的地に向かう途中で
第一の事件は起こった!

その時CDをかけて運転していたのだが
(ロッキー3のサントラ)
突然音楽が乱れ

「ギュィィーーーー、ィィーー」

という奇妙な音が出始めた

運転していた俺は気持ち悪くなって

「ちょっと、(CD)止めて」

と言った

F川がCDを出すと
その奇妙な音は止まった

俺がF川に

「何かCDに傷とかついとる?」
(すいません、その時を忠実に再現したいので
たまに富山弁を使用します)

と聞くと

F川は「いや、ついてないぞ」

と言うので、
気持ち悪いと思いながらラジオに変えた

そしてさらに奥深くへ入っていくと
街灯は一つもなく、広がるのは
闇!闇!闇!闇のみだった

しばらく進んでカーブにさしかかった

そして曲がりきり直線に戻ったとき
白っぽいモノが道の真ん中に落ちているのに気づいた

俺は

「何だありゃあ?」

と思い
車のスピードを緩めた

そして近くまで来た瞬間!

急にその白いモノが地面を這う様な
「ガサガサガサ」といった感じで
横の草むらに入っていった

驚いた俺は

「ネズミじゃねえか?」

とF川に言うとF川は

「違うって、
だってネズミだったら、
なんであんなにでかいんだよ」

俺は

「それもそうだな、じゃあ何だろう」

と思い、
車をまた発進させた

色々あったが
とりあえず目的地である「坪野鉱泉」に到着した

今までも廃墟はいくつか行ったけど
本当に「気持ち悪い」と思った

まず入り口から中に入ったが
奥は真っ暗で何も見えない

とりあえずそこで一枚写真を撮った

フラッシが光った瞬間
鳥の鳴き声の様なモノが聞こえた様な気がして

「変な音せんかったか?」

とF川に聞くと

「おお、キュゥウって聞こえた」

と怯えながら言う

奥へ歩いていくと、
奇妙な落書きが多く

そっちも恐かったが
なにより恐怖だったのが、
F川には聞こえてなかったのか気にしてなかったが
俺は常に

「ボー…ボー」

と汽笛の様な音が
かすかに聞こえていたのがわかった

そして俺達はかの有名なプール跡地についた

そこで俺達は最大の恐怖を味わうことになった!

坪野鉱泉にはいくつか掟があるらしいが

1:自分の車は使わない
2:ドアを開く時に注意
3:1人になってはいけない
4:名前を言ってはいけない

等がある

その中でも特に4番だけは守らなければならない

と言うことを
俺はこの体験を得て言いたい

では本題にもどります

プールについた俺達は
周りを回ってみることにした

変に暖かい風に警戒して
何もおこらないことを確認し
プールの入り口まで戻った

少し恐怖に慣れた俺は調子に乗り
あろうことかワザと掟をやぶってF川の名を呼んだ

「帰るか!F川」

少し大きめの声でその言葉を言い終わった瞬間!

後ろの暗闇の方で
無理やり鼻をすすったような音で

「ジュル!ジュルジュル!ジュル!」

という音がした

その音で固まってしまった俺達が立ちすくんでいると
暗闇から俺達の前を
白い大きなモノがスーっと通り過ぎていった
(これは間違いなく見た!)

固まりが解けた俺達は早歩きで
ワザと別の話題を話しながら帰った