夏に友人と3人で、
心霊スポットに行こうって話になったんです

友人の一人がすごく心霊大好き少女で
わたし達も、怖いもの見たさで
彼女に付き合っていくことにしたんですが、
それが大きな間違いでした


彼女が言うには、
ある廃墟に幽霊がよく出るってことらしくて
女の子3人で行くには、
ちょっと怖いかなと思ったものですから
わたしの彼氏も当日は同行してもらうことにしたんです

その日は、朝から雨が降っていて
なんか行くの嫌だな~と思ってたんですけど
約束なんで断るわけにもいかず、
わたしが行かないと彼氏も行かないって言うし、
仕方なく行くことになりました


ところが、集合時間になっても
わたし達を誘った本人が現れなくて
携帯にTELしてみたんだけど繋がらないし
ホントどうしちゃったのかな~って皆で話してたら、
遠くの方から彼女が呼んでるのが見えて
もう~なに~、って感じで皆で彼女の方へ行ったんです

彼女の近くまで来ると、
もう一人の友人がおかしなことを言い出したんです

ね~、何か変じゃない?

わたしは、いいました

何が?

友人が言うには、
あの子さっきいた場所より
遠くにいるような気がしない?って

そう言われてみるとそんな気もしますが
わたしの彼氏も

そうか?

っていうもんだから、
特に気にしなかったんです

彼女の側まで来ると、
彼女は遅いよ~っと少し怒っていました

何で?と皆思ったのですが、
なんとなく言い返せずに
そのまま彼女の後についていくことにしました

その時、ふと振り返ると
集合場所よりかなり遠くまで来ていました

もう一人の友人が言っていたことが少し気にはなったのですが
そのまま、皆で廃墟の向かうことにしました

廃墟ってどんなとこかと思ってはいましたが、
まさか病院だとは思いもしませんでした

廃墟に着くと、
彼女がじゃあねといって
先に廃墟に入っていきました

えっ?

正直みんなビックリして
何も言えませんでした

こんな夜中に、
一人でこんな廃墟に入っていくなんて
常識では考えられないからです

あたし達3人は、
顔を見合わせて
どうする?って感じでした。

もう一人の友人は、
彼女があまり好きではないらしく、
あの子前から変じゃない?
といって帰ろうかと言い出しました

すると、わたしの彼氏が
それはいくらなんでもマズイだろ?といい
仕方なく、わたし達3人もその廃墟に入ることになったのです

廃墟に入ると、
完全に廃墟って感じで階段なんてもうボロボロで
ちょっと、ここ危ないだろ?と彼氏が言い出したくらいです

止めようかと思ったのですが、
彼女を置いて帰るわけにもいかず
わたしたちは、先へ進むことにしました

3階へ上がると、
そこは病棟だったようで
奥の方まで病室が続いてるようでした

その時、

ゴソゴソッ!

奥の方の病室から音が聞こえたんです

何?いまの聞こえた?

もう一人の友人が、
怯えながらわたしにいいました

彼氏も何だか、
帰りたそうな顔をしていました

でも、優子かもしれないし…

わたし達3人は、
怖いのを我慢して
音が聞こえた病室へ行ったんです

誰か~いるの?

そういいながら、
部屋の中を覗くと、
誰もいませんでした

その時、誰かが階段を走って
上って来るのが分かりました

えっ!誰!

もう一人の友人は、
わたしの服をつかんでぶるぶる震えていました

わたしの心臓も
もう破裂しそうなくらいドキドキしていました

しかし、階段を上って来たのは、
さっき一人で廃墟に入っていった友人(優子)でした

もう~どこ行ってたのよ、
心配したじゃないって感じで
ほんと、もうこういうのヤメテよねって
皆少し怒っていたんです

ゴメンゴメン

彼女は人を驚かすのが好きなようで

ほんとっ、ゴメン

何度もそういって謝っていました

もういいから、そろそろ帰ろうよ

わたしがそう言うと

もう一人の友人がわたしに言うんです

えっ、今の…なに?

って

その時!!

うぁ~~~~~

大声で叫びながら、
彼氏がもの凄い勢いで走り出したんです

ちょっと、何?

もう一人の友人を見ると

腰が抜けてしまったらしく
口をパクパクさせて倒れこんでしまいました

いったい何が起こったの?

わたしには、なにがなんだか…

ねぇどうしたの優子?

わたしが優子の方を見ると、
優子は

ぎゃぁぁ~~~~~~~!!!!

と大声で叫び出し、
気を失ってしまいました

わたしも怖くてたまらなくて、
急いで彼氏の後を追いかけたんです

待って、置いてかないで~~

と叫びながら、
必死で彼氏を追いかけたのですが
上手く声になりません

階段を降りている途中、
ふとわたしの横に何かが見えた気がしました

なに?

わたしは立ち止まって、
振り返るとそこに大きな鏡がありました

その時、わたしはどうしても、鏡が気になり
その鏡を、覗いたんです

すると・・・

そこには・・・

グチャグチャに潰れたわたしの顔が…

何か大きなものが突き刺さって潰れたようなオゾマシイ顔が

あまりのショックに、
わたしは気を失ってしまいました。

後で、聞いた話なんですが
何年か前、グランドで練習していた槍投げの槍が、
ちょうど通りかかった女の子の顔に
突き刺さってしまうという悲惨な事故があったそうです

さいわい、命は助かったのですが、
自分の顔を見た彼女は
あまりの恐ろしさに耐えられず
その日、自殺したということでした

そして、
その子が運び込まれた病院が、
ここだったのです

それから、
わたしが鏡を見ることはなくなりました

あの顔が、
どうしても忘れられなくて…