幽霊とかじゃないんですけど、
私が子供の頃(今から15年くらい前)、
夜中になると近所に奇妙な人が出没してました。

私の家って、
住宅街のなかの袋小路にあるんですけど、
夜中の2時半から3時にかけて、
いつも家の外でガシャガシャって音が聞こえてました。


家族に言ったら、

「気にするな」

みたいなこと言われてたんですけど、
すごく気になってました。

それである夜、
袋小路が見渡せる二階の窓の下を、
ずーと見てたんです。


そしたら、
夜中の2時半くらいだったと思うんですが、
真っ白なワンピース姿に白いハイヒールをはいた、
髪のすごくながい女の人が、
カッカッカッて靴の音を鳴らしながら走っていました。

そして、私の家にある袋小路に入ってくると、
片っ端から周囲の家々のドアノブを廻しているのです。

その姿がメチャクチャやばくて。

やがて我が家の玄関にも、
白ワンピース女はやってきました。

そしたら案の定、
ドアノブ廻し始めました。

なんか、
鬼気迫るってよりも、
黙々と廻していました。

その時どういうわけだか、
白ワンピース女はノブ廻しをやめて、
数歩下がってから上を見たのです。

運悪く、
二階から見ている私は彼女と目が合ってしまいました。

白ワンピース女は60代くらいで、
岸田今○子のような顔で、
メチャクチャな化粧をしていました。

なんか、
ロックファンがライブの最前列でするような
化粧だったと思います。

その後も白ワンピース女は、
毎晩のように出没していたような気がしますが、
いまになって冷静に考えれば、
うちの両親をはじめ、
なぜ近所の人たちは通報しなかったのかが謎です。

なんであんなにヤバイ人を、
近所ぐるみで野放しにしていたのか、
どう考えても理解できません。

最近、実家に帰ったとき、
たまたまこの話を思い出して、
親に訊ねてみたのですが、
「覚えてない」しか言わないのです。

あの光景は脳裏に焼きついていて、
夢とか記憶違いってことは絶対ありえないのですが…。

オチがなくてすみませんです。