仲間のT君の小学生時代の体験。

こんな話信じますか?今まで誰一人として信じてくれないんです。誰に話しても。

小学校2,3年の頃でした。学校で野外学習のようなことで、T山に行ったんですよ。


それで、オリエンテーリングみたいに、2人一組で決められたコースを辿ってくるということをしたんです。なんだかねえ、背丈くらいある茂みの中で方向がわからなくなっちゃったんです。

どっちがどうだか全然わからなくて、道に迷ったんですねえ。時間はどんどん過ぎていくし、前の組とは2,3時間のブランクができたんじゃないでしょうか。

しまいにお互いのせいだとなすりつけあうように喧嘩になったんですよ。そしたら・・・うおおおぉぉぉおおおお!!!って、それはもう山じゅうに響き渡るような物凄い声でしたよ。

すごいんです、ほんと、うおおおおおおおぉぉぉぉおおおおおお!!!!なんだあと思いましたよ。真っ赤なんです。

全身真っ赤でした。真っ赤で物凄い大きな男がすごい顔で走ってきました。

いくら子供ったってねえ、2メートルを3メートルとは思わないですよ。3メートルくらいはありましたよ本当に。

子供だから大きく見えたなんていうんじゃないです。それだけでっかくて真っ赤で、物凄い顔のヤツが突進してくるんですよ、僕達の方に。

立ちすくんじゃって動けないでいるとね、エル字に曲がっていきました。僕達のすぐ前を。

叫びながらドドドドドドドって物凄い速さで。もう怖くて、「うわあぁぁ!!」ってんで走りました。

前の組とはホント、2,3時間はブランクがあるくらい迷ってたはずなのに、追いついちゃったんです。いつのまにか。

でも、これ誰にも信じてもらえないんですよ。友達と2人で見たんですよ。

この目で、はっきり見たんですよ。だいたい彼が話したとおりに近い話し方で書いた。

赤鬼?・・・・その山の入り口には守り神のように仁王様が立っているという。道に迷った罪のない子供達を導いてくれたのだろうか・・・・