小さい頃、近所に台湾人霊媒師のバアちゃんがいた。

オレが一歳くらいのころ、
母親がそのバアちゃんちにオレをよく連れて遊びに行ってたそうなのだが、
その度にバアちゃんちにある坊さんの白黒写真をジーっと見てたそうな。


気になった母親がバアちゃんに

「この子、なんでいっつもこの写真見てるんやろね」

と言ったら、バアちゃんは

「ああ、このお上人さんは、この子の守護霊なんや。
ずっとお話ししてやるねん」

と答えたらしい。





当然覚えてないのだが。

で、二十年以上が経過したある日。

今も公私ともに付き合いのある先輩(占い師で作家)と
オカルト話に興じていた時、先輩がこう言った。

「お前さんの守護霊は坊様みたいだな。
結構最近の人で、徳も高い。それがあるから絶対に霊体験しないよ」

と、お墨付きをもらった。

その話を聞いて、母親から聞いた前述のバアちゃんの話を思い出し、
見える人には見えるんだなあと納得した。

また別の日、霊感があるという後輩女性も、

「先輩の守護霊、強そうなお坊さんですね。
腕まわりがわたしの腰くらいあります」

と言っていたので、
どうやら本当にオレの後ろには強力な坊主がいてくれるらしい。

彼のおかげでオカルト体験は一切したことがないし、今後もすることはないのだろう。