これが私が中学生の時の実話です。

深夜、私はレンタルビデオを返すため自転車に乗っていました。
その途中に、とある大きな寺があるのですが、
私はその時、寺の塀沿いを歩いている男の人を見かけたんです。

で、通り過ぎざま、なんとなくその男を見てたんですが、
ふと違和感があって、立ち止まってよく観察してみたんです。

すると…その男の後ろにはなんと、
兎跳びでピョンピョン飛び跳ねながら男を追う真っ黒い影が!!!

…そんな話を友人にすると、
大抵友人は

「ははは、こやつめ」

とか言いながら脇腹を突いてきます。


本当に見たのに。

でも、しょうがないか。

嘘臭すぎるもんなぁ。

そんな思いで、
私はこの体験をいつしか一つの笑い話にしていました。

そしてある日、
私はふと母親にこの笑い話を披露してみたのですが…

「え、あんたもなの?」

笑うかと思った母は、
心底驚いた様子で私を問い詰めてきたのです。

そして、母親は語りました。

私が見た物を、
はるか昔に父親(自称霊能力あり)も見ていたことを。
そして、憑かれていたと思わしき知人が、
自殺したということも。

「お父さんが言うには、
疫病神の一種らしいんだけどね…」

…とまぁ、
そんな訳でこれが私の唯一の『見た』霊体験でございます。

皆様方も、お気をつけくださいね。

格好で判断してはいけないのは、
どうやら人だけではないようですから…。