子供のときの話だから真偽はわからんが。

おれはガキの頃、
婆ちゃんの実家の田舎に住んでいた。

俺は婆ちゃんっ子で、
いっつも金魚の糞みたいにくっついてた。
婆ちゃんは神仏を大切にする人で、
毎朝家の神仏を拝んだあと近所の神社に欠かさずお参りに行ってた。

俺も婆ちゃんと一緒に居たいもんだから、
よく付いて行ったな。

「神様は○○君をいっつも見とんしゃるけんね」

が口癖だった。


んでおれが7~8歳ぐらい?の話。

今では考えられないが当時は野良犬がチラホラといて、
よく保健所のおっさんを見かけていた。

「気をつけろ」

とは言われていたが、
実際の野良犬は人間をすごく怖がるから実害は0に近かった。

でもその日は違った。

学校の帰りの山道でアホみたいなでかい犬に威嚇されたんだ。

じっと睨まれてマジで足がすくんだ。

本当に死ぬと思った。

一分だか十分だがずっとにらみ合っていると、
突然山の斜面からこれまたクソでかい真っ白な犬が出てきた。

大人は全然信じてくれなかったが、
マジででかかった。

四つん這いなのに軽く高さ二メートルは超えていたはず。

「ワン!」

ってでかい声で鳴くと、
野良犬は一目散に逃げていった。

んでその後また山へ入っていった。

その話を親兄弟に話しても、

「ビビってたから大きくみえたんやろ」

とか

「ただの犬の縄張り争い」

とか信じてくれなかった。

確かに今考えてみると、
恐怖からくる幻覚だったのかもしれない。

でも婆ちゃんだけは

「○○君がようお参りするけん、
神様が助けてくれんしゃったとよ」

って言って、
ますますお参りをするようになった。